ヤマハ TRX850(1995):ミドルツインの先駆け、MT-07の“お父さん”

ヤマハが1990年代に送り出した、異色のパラレルツイン・スポーツ「TRX850」。とっつぁんさんの愛車はその初期型、車体打刻番号「000332号」という極初期ロットの一台です。

独自の車体カラーや、愛情たっぷりの視点から綴られるTRXへの思いが、このバイクの深い魅力を物語っています。


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希少な初期型とカスタム外装

とっつぁんさんのTRX850は、車体色が「ブルーイッシュホワイトカクテル」のベースに「ヒートレッド」の外装という独特な組み合わせ。このカラーリングはオリジナルの魅力をさらに引き立て、1990年代らしい情熱と個性があふれています。

TRX850はその見た目の美しさと、クロスプレーン風の270度クランクツインエンジンがもたらす独特の鼓動感が持ち味。軽量なトレリスフレームに包まれたその機構は、後のMTシリーズ、特にMT-07のご先祖とも言える存在です。


MT-07との比較、そして“父”としての矜持

「MT-07のお父さん。息子との違いが知りたい!」

そんなユーモラスで愛情深いコメントからもうかがえるように、とっつぁんさんにとってTRXはただの旧車ではなく、現代のミドルクラスツインに通じる“原点”ともいえる存在。

MT-07との比較で言えば、

  • TRXはキャブレター+5バルブ+270度クランク
  • MT-07はFI+4バルブ+270度クランク
  • TRXは乾燥重量190kg台、馬力71ps(カタログ値)
  • MT-07は軽量な車体に最大トルク重視の設定

どちらも“軽くてよく走る”が信条。しかし、TRXの方がややピーキーでスポーツ寄り、MT-07はより街乗りフレンドリーに進化しています。


TRX850への想い

「忘れてました」と控えめな一言がありながらも、送られてきた多数の写真や初期型への言及からは、長年連れ添ってきたバイクへの深い愛情が伝わります。

「走りに味があって、時代の先を行っていたバイク。息子(MT-07)も良いけど、やっぱり親父(TRX)の渋さは格別です」


時代を先取りした異端のスポーツツインは、いまや旧車好き垂涎の存在に。そんなTRXを今なお大切に乗るとっつぁんさんの姿は、まさに“機械と心の繋がり”を体現しています。

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